気付いたときにはもう底なし沼だった
頭に浮かんでくる言葉をカタチにしないと落ち着かなかったのでここに書き記しておこうと思う。
わたしはこれまでにジャ○ーズ、ヴィジュ○ル系、地下アイ○ル(女性グループ)と様々なジャンルに手を伸ばしてきた。
しかしジャ○ーズの推しは週刊誌記事で問題になり、ヴィジュ○ル系で好きだったバンドは解散、地下アイ○ルの推しは引退した。
推し事は比較的時間に余裕がないと難しい。小学生から推し事を始め、気付けば社会人。金銭的余裕がすごーくあるわけでもなく、時間はもちろん作りにくい。
今はお付き合いしている相手もいるし、画面の向こう側に素敵な人がいるなぁと思っても動画やテレビで見ているだけで十分だった。
ある日、たまたまツイッターのトレンドをチェックすると#produce101japanという謎のハッシュタグが入っていた。
K-POPを通ってこなかったわたしからすると、事前知識は完全に0の状況である。なんだこれと思いながらタップする。
その日は今回のPRODUCE 101 JAPANにおいて今もなお“伝説”と言われ続けている、東方神起の『Why?(Keep Your Head Down)』が披露された7話の公開日だった。
Why?自体は当時K-POPの先頭を走っていた東方神起が2人になってから最初の曲であったことと、ドラマの主題歌になっていてそのドラマを見ていたこともあって聴きなじみがあった。
スリリングかつかっこいい曲であり、中古ではあるがCDを買ったほどだ。それ故にこの曲を歌い上げるのが難しいことも把握している。
そんな中、ツイッターに上げられていたWhy?の動画をみて驚いた。
よくわからないけどかっこいい人たちがこんな難しい曲を歌い踊っている。ばっちばちにかっこいい。
何よりあんなに激しく踊っているのに口パクではなくすごい声量で高音を出す、しかも顔の整いまくった人がいるではないか。誰これ。見たことない。やばい。
一瞬にして目を奪われた相手こそ『安藤誠明』くんだった。
その後PRODUCE 101 JAPAN(以下日プ)について調べ、この番組に出ている男の子たちは皆事務所に所属していない素人であること。経歴も様々でダンス・ボーカルの経験者もいるが完全に未経験の子もいること。そして安藤くんは未経験のうちのひとりだということを知った。
ただこの段階では安藤くんは常にデビュー圏内にいることが分かり、特に他の子に興味が湧いたわけではなかったので、本編を見たり投票をすることはなくYouTubeでひたすらWhy?を聴くくらいのものだった。
しかし気になる。安藤くんが気になる。素人でこの顔とこの歌の上手さって。どんな子なんだ。日に日にその感情が高まっていく。
そして2週間後にトレンドに上がっていた#produce101japanをタップすると、安藤くんがまた歌っているらしいことを知った。
9話で披露された『Black Out』をYouTubeで見て、力強い声だけじゃなく色気のある綺麗な高音やハモりも出来る。魅力しか感じない安藤くんを見て、ちゃんと推そうと決めた。
そんなわけでとりあえずYouTubeに上がっていた日プ公式のハイライト映像を見る。
最初に見たのがこれ。Black Outチームが出てると思いなんとなくタップしたこの動画を見たのが、結果的に沼に引きずり込まれるキッカケになった。
歌い踊る安藤くんしか知らなかったわたしにとって、彼のイメージは内に熱いものを秘めたクールなキャラ。わたしの中の人物像が大崩壊したのである。
あれ。イメージと違う。ひょっとしてこの子は…アホの子?天然の子?この顔で?あの歌声で?そういう感じ?
あぁ、これが沼か。安藤誠明の沼やばすぎ。深すぎ。底なし沼じゃん。
そこからは早かった。これまで数多のジャンルを経験してきたわたしのリサーチ力を侮るなかれ。
とりあえず安藤くんにハット被せた人だれ。10万ベネフィットあげるから出てきなさい。
さすが筋肉。筋肉は裏切らない。圧倒的速さ。かっこいい。あと與那城オッパが頼りなくてかわいい。
さすが筋肉。筋肉は裏切らない。腕立て伏せ30秒間45回の記録がしょぼいになってしまう意識の高さ。勝負はトレーニング。一緒にトレーニングした仲は素晴らしい。
さすが筋肉たち。筋肉たちは裏切らない。シックスパックスに気付いた動画。與那城先輩と後輩純喜に挟まれる安藤くん。男子校ノリ。女装しても顔面最強だから美人。でも筋肉。こういうの憧れちゃう。照れると話せなくなる安藤くんかわいい。
あとカメラマンさんの方を見てるが故にカメラ目線になれない安藤くんに気付いたのもここ。非常に愛おしい。
他にもファンの方が有志で作った安藤くんやシクパフォーカスの動画も見漁った。愛に溢れてた。素敵だった。
日プのすごいところはやっぱりファンであるプロデューサーが土台を作っているところ。有志で動画を作ったり、駅に広告を出したり。
投票ひとつで推しのデビューが左右されるからこその熱量。とても残酷なことではあるけれど、だからこそ生まれる熱量がそこにはあった。
11話目終了後の最終投票週。1人にしか投票できないという形になったが、わたしは毎日安藤くんに投票した。
彼がデビューして素敵な仲間とともに踊り、圧倒的歌唱力を世界に見せつけてほしかった。この頃にはシックスパックスへの愛もあったが、1人だけを選ぶとなるとやっぱり安藤くんであった。
安藤くんは一度もデビュー圏外に落ちたことがない。シクパは箱推しが多く投票数が割れそうとの意見もあったが、こんな魅力の詰まった安藤くんが落ちるわけないという謎の自信があった。
最終回。地上波生放送。『YOUNG』を華麗に美しく歌い上げる安藤くんは相変わらず最高だった。
それにオーディション時の映像や1話目のツカメと比べて、圧倒的にダンスも上達している。努力の賜物。
あとは順位発表を待つだけ。何位になるかな。早く呼ばれて安心もしたい。でも上位で呼ばれてほしい気もする。
どきどきしつつもたくさんの期待を寄せて見ていた。
呼ばれない。いつまで経っても呼ばれない。気付いたら残るは11位のみ、安藤くんか與那城くんのどちらかは確実にデビュー出来ない現実が待っていた。
1位2位が川尻くんか豆原くんであることが明らかになった瞬間、わたしは思わずテレビを消してしまった。
こんなことになる想定はまったくしていなかったからだ。現実を現実のものとして受け止めきれなかった。
結果はツイッターで知った。11位は與那城くんだった。
安藤くんがデビューできないなんてことあったんだ。何も考えられなかった。ただひたすらに虚無。
わたしはJO1の11人に納得がいかないだとかこの子は違うとかそういう思いはない。デビューが叶ったメンバーには素直におめでとうと言ってあげたい。
でも安藤くんがそこにいないという想定外の出来事に、押し寄せてくるのは申し訳なさと涙だった。
放送終了後、與那城くんのインタビューを見た。「トモと一緒にデビューできなかったことが悔しい」と。
そして與那城くんの名前が呼ばれたときの2人で抱き合う姿。與那城くんが花道を歩いているとき、選ばれなかった練習生が中心に集まる中、安藤くんはいつまでも與那城くんの背中を見続けていたこと。
なんて残酷なのか。こんなに苦しく悲しい思いをするくらいなら、知らなかった方が良かったのでは。與那城くんもデビューできない方が良かったのでは、と。
もちろん後になってからこんなふうに考えてしまっていたことをとても後悔するのだが、でもこの瞬間はそう思わずにはいられなかった。
與那城くんのインタビューを見たあと、しばらくは日プの映像を見ることができなかった。安藤くんがこのメンバーとデビュー出来ないという現実から目を背けたかった。受け入れたくなかった。
わたしが再び安藤くんの映像に触れたのは、彼の誕生日当日であった。
誕生日になってからのハッシュタグ『#安藤誠明君幸せをありがとう』は日本のトレンド1位。世界のトレンド4位。ツイート数は12万件超え。朝方までトレンドに残っていた。
現状一般人となってしまった彼だったが、こんなにも愛されていた。彼が誰からも愛される人間だということは日プを通して分かってはいたけど。とてつもない愛の数、そして素敵なツイートに涙した。
その日は4時頃まで起きて、日プの映像を見返した。
最初から最後まで安藤くんが弱音を吐くことはなかった。自分自身に対して涙を見せることもなかった。
日プという番組を作るうえで、自身の葛藤や壁にぶつかる姿が取り沙汰されやすい。故に、そういった場面での安藤くんの分量はかなり少なかった。ないに等しかった。
でも安藤くんがコメントをするときは自分の置かれている状況を冷静に理解し、どうしたら自分がもっと高みを目指せるのか常に考えていた。そしていつだって真っ直ぐ前を向いていた。その眼はとても熱かった。
はじめは顔がよくて歌が上手いだけで好きになった。でも知れば知るほど、彼の真っ直ぐさと前向きさに惹かれていった。
誕生日当日、安藤くんはInstagramを開設した。それと引き換えかのようにJO1になったメンバーのSNSが閉じられた。彼がJO1のメンバーではないと突きつけられた瞬間でもあったが
bio欄の言葉がとても安藤くんらしく、思わず笑みがこぼれた。
https://www.instagram.com/tomoaki.ando.1219/
※なお現在もbioスタグラマーとしてほぼ毎日更新されているので興味のある方はチェックしてみてほしい。画像と3行の文面だけでも安藤誠明の人となりがかなり垣間見える。あとほぼ毎日更新のマメさがまた安藤くんらしくてとても愛おしい。
そして同じ日に上げられた練習生のラストメッセージ。
悔しい気持ちは抱えながらもすでに前を向いている彼を見て、モヤモヤしていた気持ちがスーッと浄化された感覚があった。
『大好きな音楽で恩返しをしたい』
この言葉を聞けたことがなによりだった。まだ安藤くんを応援できる。
本来願っていた形とは少し違う。たくさんの努力を重ねてきた半年間、ともに戦いあった仲間たちとともにアイドルとして世界に羽ばたく姿を見たかった。
でもわたしはすでに『安藤誠明』という人柄が好きで、彼の進む道がどうであれ応援したいと思っている。
デビューメンバーである汐恩くんに対して「おめでとう!」と笑顔で迎え入れるところ。
1番最初の課題となったポジションバトルのときにタマレボ1班で同じチームになってから、成長ぶりを見届けてきたであろう金城くんのデビューが決まったときの喜びようは本人よりもすごかった。
安藤くんが最終話で涙を見せたのもこのときだけだったなあ。
人情味があって温かくて自分のことのように喜んでくれる安藤くんの存在に救われた練習生もきっとたくさんいたはず。
この2つの映像を見て、改めてこれからも安藤くんを応援していこうと強く思った。
いつまでも真っ直ぐ前向きで、素敵な彼を見ていたいです。彼の未来に幸あらんことを。